自己愛性人格障害者は、
空想や妄想に心を持っていかれやすいです。
自己愛性人格障害者に限らず、
精神的に弱い人というのはそういう傾向にあります。
空想、というのは
現実的にありえないことに想いを巡らせる、ということに
なります。
妄想というのは、病的な妄信や確信ということになります。
今日はなんだか、とんでもないことが起きるような
気がする!
と、何も根拠がないのにそういう気分になることを
「妄想気分」と言います。
車がキキーッと急ブレーキの音を立てて止まったり、
犬がワンワンと騒ぐことを
「自分への攻撃・あるいは警告だ」と信じ込むことも
妄想にあたります。これを「妄想知覚」と言います。
知覚に基づいて、それに関連して妄想が起きることですね。
特にそういったきっかけもなく、
突然のひらめきや確信を持つことを「妄想着想」といいます。
これらは、精神病的な性質、病態ともいえます。
なぜ、そういった妄想に走りやすいかというと、
現実というのは心の弱い人にとっては厳しいからです。
妄想の中で自分の理想とする世界を作り上げたほうが、
自分の心を守るには最適といえます。
自己愛性人格障害者の場合、
自分の都合のいい空想に走ること(被害妄想的思想など)
はある意味病的と言えますが、
コミュニケーション以外で、空想にとらわれて日常生活が
送れない、などといったことはありません。
しかし、その誇大性から
非現実的な物事の捉え方をしたり、
被害妄想として「あいつは自分を攻撃しようとしている」
という確信からは逃れられませんから、
社会性という意味では破綻しているともいえます。