逃げられない自分を恥じる必要はまず、
ありません。
「なんで逃げられないのか?」と自問自答することもあるでしょうし、
世間というのは冷たい(というか自然な反応)ですから
「DVを受けているほうにも責任があるのでは?」
「なんで逃げないの?」
という反応が返ってくるのは当然のことです。
ところが、逃げられないのもまた、当然のことです。
それなりの素質があるからこそ、ターゲットとして
選ばれたのですから。
その素質とは、
自分の被害を軽くみてしまう素質です。
自分の傷を最小限にするように現実を見なくする
能力というのは、モラハラ被害やDV被害を長期化させる
一因となります。
そして、自分自身を過小評価する素質。
自分は「こういう罰を受けて当然の人間なのだ」と
思い込める素質。
それらの素質を組み合わせてもっていれば、
間違いなく自己愛性人格障害者や境界性人格障害者からは
逃げ出すことは困難になるでしょう。
逃げられないのではなく、
逃げたくないのです。
意識では必死に逃げたい逃げなければと叫んでいても、
無意識では逃げたくないと思っているのが
被害者です。
まずは、実際に「自分は逃げたくない」と思っているということを
自覚することが大事です。
逃げるには材料が足りないのかもしれませんし、
安全な場所が確保できないからかもしれませんし、
周りの目が強烈に気になるからかもしれません。
逃げられない自分を責めてもどうしようもないのですが、
それでもせめてしまうのも被害者といえるでしょう。