自己愛性人格障害者は、
大体の場合が親(やそれに代わる重要人物)を恨んでいます。
自己愛性人格障害者が「自分の親はみっともない。
ただ責任転嫁するだけで、実際のところは何もしない」
と公言している場合でも、
「自分の親は立派だ。あんな大変な仕事にもついているし、
自分のことをよく理解してくれている」
と尊敬するような言い方をする場合でも、
結局のところ無意識下ではかなりの強烈な憎悪を
抱いています。
その恨みは、そのまま親に向くことはあまりありません。
結局のところ、親というのは自分を支配してきた
対象であり、支配してきたという実績があるために、
自己愛性人格障害者は親との関係でいえば
支配(搾取)される側である場合が多いのです。
ですから、そこだけの関係でいうと
自己愛性人格障害者は
「被害者」でもあります。
ですから、その場合の身代わりにできる人物が
必要です。
それを、ターゲットという身近な存在に
託すのです。
すなわち、自分が恨みを晴らしたい対象は親だけれども、
それがかなわない(かなわなかった)から、
自分の交際相手や、配偶者や、知人友人に
スケープゴートになってもらう。
もちろん、それは無意識の中の出来事です。
そうやって、人生のやり直しをはかっています。
そのやり直しというのは結局、うまくいかないのですが
(当然ですね、恨みを本当に晴らすべき対象は
親なのであって、その状況を再現したとしても
相手はただ配偶者であり恋人なのであって、
親ではないのですから)。